legacy of R

1. 世界の前提

この世界は「出口」を探し続ける存在たちの記憶の残骸でできている。
“誰かが脱出を試みた形跡”の繰り返し──
それが部屋であり、足音であり、メモである。

2. Rとは誰だったのか

Rはかつて、この空間に閉じ込められた一人だった。
何度も繰り返し、部屋を彷徨い、記録を残した。
彼/彼女は最も“出口”に近づいた存在だが──
最後には気づいた。
「出口なんて、最初から存在しなかった」と。

それでも、Rは最後の希望を捨てきれず、
“次の誰か”にすべてを託すことにした。

3. 最後に出た世界の正体

「やっと出られた」と思った場所。
赤い光、安らぎのない空間、絶望。
だがそれは、“前の世界”ではなく、
“記憶の再構成によって作られた檻”だった。

Rはそこに囚われた。
だからこそ、最初の部屋と最後の部屋は似ている。
──「最初から最後まで、同じだった」。

4. なぜ「next R is you」なのか

Rはループの中心にいた観測者となった。
記録を残し、メモをばらまき、
“次に目覚める誰か”が、自分の役割を継ぐことを願った。
その結果、最後の画面で表示されたのが──
「next R is you」

……次の記録者、次の犠牲者。
忘れても、そこにまた「君」がいる。

記録はここで終わる。
でも、物語は終わらない。
君が忘れたとしても、
この部屋はまた、君を迎えるだろう。

── Welcome back, R.